グローバルな時代だからこそ子どもに親しんで欲しい日本のわらべうた

2017年5月号

今月の歳時記と繋がってのお話になりますが、先日FMラジオで、ルー・ハリソン(1918~2003年ポーランド)という作曲家の「般若心経(La Koro Sutro)」という曲を放送していました。

合唱は良く聞く西洋発声の混声合唱ですが、同じメロディーをみんなで合わせて歌っていました。
伴奏はインドネシアの民族楽器です。
歌詞は、仏教の最も有名なお経「般若心経」。
しかしそれをエスペラント語で歌っていました。

エスペラント語というのは、世界の力を持った国の言語を共通語とするのではなく、新しい言語を作り出しそれを共通言語とするべき、という思想から生まれた言語です。
(船橋でも船橋東部公民館を会場に千葉エスペラント会が活動しています)

ルー・ハリソンは、合唱形態発声法、インドネシアの楽器、仏教という東洋の思想を合体させ世界の様々な文化思想をお互い認め合い尊重し合い柔軟に混合させた曲を作曲したのでした。

この他にも、ヴァイオリンとガムラン、管弦楽による曲、ガムランとピアノの曲、日本の三味線によるイタリア風の曲なども作曲しました。
その根底には、ポーランドという多くの国に支配されてきた歴史のある国の出身ということがあるかもしれません。

わらべうたも民族独自の音楽です。
まずメロディーが日本人独自のものです。

日本の音楽の音階を調べると日本の文化の歴史の一部が見えてきます。

●民謡音階=わらべうたや民謡の音階 
●律音階=わらべうたや子守唄にも見られますが、もともとは中国の文化を取り入れた奈良平安時代に伝わった宮中音楽(雅楽)の音階
●都節音階=戦国時代後半に沖縄から伝わった三線(さんしん)という楽器を改良してできた三味線の音階。わらべうたや民謡にも使われるようになりました。
●沖縄音階=沖縄の音楽の音階。沖縄は、昔琉球王国という大和(日本)とは異なる統治制度でしたので、異なる文化、言語がありました。それを江戸時代が始まって間もなく薩摩藩に侵攻され支配下おかれながらも、独自の文化を守ってきました。
●アイヌの音階=ここはまだ研究がまとまっていません。

このように日本が隣国から取り入れてきた文化が音楽にも影響を与えていることが良く分かります。

現代私たちが最も多く耳にしているのは、西洋の音楽文化(奴隷制度により取り込まれたアフリカの音楽要素を含んだものも含む)です。

これだけではなく、日本人としての音楽文化も持ち続けなくてはとも思います。

大分前ですが、「和風総本家」という番組の企画で、アフリカの放送局に独自の視点で番組を作ってもらうというものがあり、そこで使われていたBGMのひとつが、尺八で演奏されている「江戸子守唄」でした。
日本の音楽のイメージがこれなのかと、驚き嬉しく思いました。

子ども達が、世界に出て何か日本の歌を歌って欲しいと言われた時、お母さんの膝で遊んでもらったっ時の歌だといってわらべうたを、また代表的な子守唄だと(子守唄は世界中どこにでもあります)江戸子守唄を歌って聞かせてあげられたらどんなに素敵なことでしょう。