出産後のホルモン分泌から出産後の女性の子育てを考える

今回は、NHKスペシャル「ママたちが非常事態~最新科学で迫る日本の子育て」という番組について紹介したい
と思います。

かなり反響があったあらしく、再放送がすでに2回されているそうです。

また子育て情報サイトなどでも取り上げたり、見た方からの書き込みもされたりしているそうです。

番組名がインパクトありますが、内容としては、「最新の科学でわかってきた出産後の女性の身体や新生児の脳」が中心になっています。 

以前も書きましたが、人間社会に起きる問題の解決についての糸口を得ようとする時、生物学、人類学的な情報が役立つことがあります。

この番組では、様々な実験を通して、出産後の女性の身体や子どもの脳を説明しています。
①出産後、女性の脳の30%が肥大し育児の能力を高めている(例として我が子の泣き声を聞き分けられる)

②出産後、エストロゲンという孤独や不安を感じるホルモンが多く分泌されるのは、「共同養育」を促すため。霊長類はもともと子どもを数年かけて育てるため、その間次の妊娠ができないが、人類は子孫を繁栄させるため直ぐに妊娠できる身体になった。
そのためにはまだ幼い我が子を他人に預けなくてはならない。
それを促すように孤独や不安を感じさせ、他人に頼るよう進化した。

③新生児の夜泣きについて。
胎児は、母体が活動いている昼間ではなく、休んでいる夜間に活動し母体に負担をかけないようにしている。
そのリズムが残っていて夜間に起き続ける。

④3歳前後の子どものイヤイヤ期は、欲求を抑える前頭前野の発達が未熟だから

⑤出産後、赤ちゃんに愛情を向けるように促すホルモン「オキシトシン」は、あかちゃんを守るための攻撃性も強める。
そのため家族に対しても不快を感じた場合は攻撃をしてしまう。

⑥育児中母親の脳がリラックス状態になるのは、夫が自分に向き合って会話している時

この中でも、②について。
この仮設を立てている学者は、文明が発達していない地域の部族の子育ての様子を見て、そのような仮設を立てたと話していました。
つまり、薪を取ってくる、と山に出に出掛ける時に、集まって作業をしている別の女性(同じように乳飲み子がいる)に預ける。
もしその赤ちゃんが空腹になったらその女性が代わりにお乳を飲ませる。
このようなことは、昔の日本でもあったこと。
しかし日本では、大正時代に「良妻賢母」という思想が海外から入ってきて、それが母子の愛着と絡んでひとつの育児文化のようになってしまい、そのような育児環境はなくなっていったと精神科医の香山リカ氏は話しています。

「人類の進化の中で生まれた『共同養育の必要性』が、『核家族化』という社会現象によってかなわなくなっている。
日本の社会としてそこをどのようにしていくか、が今後の課題」と番組内で話していました。
ただ、「共同養育」の質が、子どもの成育に大きな影響を与えることにも注目して、「共同養育」の場を作り上げていかなければならないと私は思います。

また⑤と⑥について。

父親の育児の協力は、手を貸すよりも、「じっくり向かい合って話をきいてあげること」がよいのかもしれません。

なぜかというと、もともとは、外敵を子どもに近付かせないことが目的のホルモンが分泌されているのですから、夫であっても、嫌悪を感じるのが当たり前だし、父親の脳は、出産をした母親とはまったく違うものなのだからです。、
つまり母親と同じように手を動かしたり触ったり、感じたりはできないのです。

女性は、そこから始まり、夫に要求しなければ、イライラも減るのではないでしょうか。
女性と男性は違うのです。

このように脳科学が発達していない時代でも、母親たちは悩み、失敗し、その経験や様々な人から知恵をもらいながら育児をしてきました。

そのような手探りのような子育ても大事にして科学の情報も上手に取り入れ子育てしていく時代になったのだと思います