昔の子育てを知って思うこと No.1

「ぼんのくぼ」という言葉をお聞きになったことがありますか。

辞書で調べると「首の後ろの頭部との境にあるくぼんだ所」とあります。

もう一つ「江戸時代に行われていた、子どもの髪型。首上の当たりの髪だけを伸ばし、周りは短く切る。」ともあります。

なぜこのような髪型にしたのでしょう。

子どもはまだ人の世にしっかり足を踏み入れていない。

魔物はそのような弱い存在である子どもを魔界に連れていこうとする。

もしそうなった時、その頭の後ろの毛を掴んで引っ張り、魔界に連れていかれないようにしようとしたのだそうです。

こんな話は、現代社会では馬鹿げた話かもしれません。

まず、魔界があるのか。魔物はいるのか。

しかし昔の人が、「新しい命をとても大切にしていた。

それも家族や地域ぐるみで」ということを表す風習のように感じます。

これほどまでに新しい命を大切にしたのはなぜでしょう。

昔は、生活の環境の悪さ、貧困から子どもが命を落とすことがたくさんあり「どうぞ無事に、育って欲しい」という願いは大きかったのでしょう。

あるいは、悲しいことではありますが、労働力として子どもが必要だったのかもしれません。

しかしその一方で、「口減らし(くちべらし)」として、食べるものがないからこれ以上子どもを増やすわけにはいかないと、生まれた子どもの口をふさいで息を止めさせてしまうこともありましたし、川原で赤ちゃんを産み落としそのまま捨ててしまう、という惨いこともあったようです。

昔の生活は人間らしく豊かだったと、一概に言えないということが、小説「楢山節考」には描かれています。

どの時代にも両極があったということでしょう。 

今現代に生きる私たちは、そこから何を得て、子育てをしなくてはならないのでしょうか。

それを選択し、子育てに生かせたらよいのではと思います。