2017年06月10日

ジェンダー・フリーについて

2017年4月号
「女らしく」。
つまりは、「物腰をやわらかく」「優しい言葉使い」「思いやり」「お化粧をして」「子供を育てる母性を持って」などいうことでしょうか。

「女らしく」について、いろいろ言われるようになって大分経ちますが、「男らしく」という言葉についても最近ようやくいわれるようになりました。
つまりは「たくましく」「行動的」「か弱きものを守る」などのことでしょうか。

朝日新聞に、その特集が組んであり、そういわれて不自由を抱えている男性からの投稿を集めて紹介していました。

私の夫が、先月から発売されている、放送35周年記念「北の国から」DVDマガジンを買ってきて観ているのですが、その中に、

冬に向う北海道の地であばら家の2階に寝ている子ども2人と女性1人。
その中の唯一の男性、10歳ぐらいの男の子が、
「おとうさん寒くてしかたありません。どうにかしてください」
というのに対しお父さんは
「2階で寝ている男は君しかいません。男だったらどうにしかしなさい。おちんちんついているのをおとうさん知っていますよ
」と答えます。
このお父さんはこの山奥のあばらやで生活できるよう、身体を張って物を作っているので、自分自身もそのようにしているわけです。

もし現在この番組が放送されたら、そのようなジェンダーについて気にする人は、
「なぜ男、ということでそのようなプレッシャーを与えるのか」
と話題にしたかもしれません。

35年前といったらみなさんはおいくつでしたでしょう。
まだ生まれていない方もいらっしゃるでしょうか。

この作品の脚本は、80歳を過ぎた今話題の倉本聰氏です。
戦前生まれ、小学生の頃に終戦を迎えた方です。
この作品を書いていた頃は40歳半ば。
35年前はこれをジェンダーの問題と取り上げる事もなく、「女らしさ」「男らしさ」という価値観がありました。

現在は、女性も仕事で活躍を、男性も育休を取って子育てをすることを、社会全体が進めています。
ジェンダー・フリー=従来の固定的な性別による役割分担にとらわれず、男女が平等に、自らの能力を生かして自由に行動・生活できること=の実現に社会が動いています。

しかし、遺伝子的、生物学的には、確実な違いがあることも、確かなことです。

前にも書きましたが、女性は出産するとホルモンの分泌により身体も変わり、脳まで男性とは異なる。

遺伝子もYX,とXX。Yの遺伝性は確実にXとは異なる。
だから性差が生まれる。
それは確かなことだけれども、それにとらわれて、強制し不自由を与えてはいけない、というのがジェダー・フリーということなのでしょう。

性別とは何か。
日本女子大では、入学者の限定をどのようにするのか=性同一性障がいの入学を認めるのか=という踏み込んだ検討を始めたそうです。

GLBT(性別越境者)の問題も含め、今私たちが新たな価値感を持って生活していく時代になりました。
posted by 母と子のためのスペース”穂” at 15:51| 女性を生きる | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年03月24日

出産後のホルモン分泌から出産後の女性の子育てを考える

今回は、NHKスペシャル「ママたちが非常事態~最新科学で迫る日本の子育て」という番組について紹介したい
と思います。

かなり反響があったあらしく、再放送がすでに2回されているそうです。

また子育て情報サイトなどでも取り上げたり、見た方からの書き込みもされたりしているそうです。

番組名がインパクトありますが、内容としては、「最新の科学でわかってきた出産後の女性の身体や新生児の脳」が中心になっています。 

以前も書きましたが、人間社会に起きる問題の解決についての糸口を得ようとする時、生物学、人類学的な情報が役立つことがあります。

この番組では、様々な実験を通して、出産後の女性の身体や子どもの脳を説明しています。
①出産後、女性の脳の30%が肥大し育児の能力を高めている(例として我が子の泣き声を聞き分けられる)

②出産後、エストロゲンという孤独や不安を感じるホルモンが多く分泌されるのは、「共同養育」を促すため。霊長類はもともと子どもを数年かけて育てるため、その間次の妊娠ができないが、人類は子孫を繁栄させるため直ぐに妊娠できる身体になった。
そのためにはまだ幼い我が子を他人に預けなくてはならない。
それを促すように孤独や不安を感じさせ、他人に頼るよう進化した。

③新生児の夜泣きについて。
胎児は、母体が活動いている昼間ではなく、休んでいる夜間に活動し母体に負担をかけないようにしている。
そのリズムが残っていて夜間に起き続ける。

④3歳前後の子どものイヤイヤ期は、欲求を抑える前頭前野の発達が未熟だから

⑤出産後、赤ちゃんに愛情を向けるように促すホルモン「オキシトシン」は、あかちゃんを守るための攻撃性も強める。
そのため家族に対しても不快を感じた場合は攻撃をしてしまう。

⑥育児中母親の脳がリラックス状態になるのは、夫が自分に向き合って会話している時

この中でも、②について。
この仮設を立てている学者は、文明が発達していない地域の部族の子育ての様子を見て、そのような仮設を立てたと話していました。
つまり、薪を取ってくる、と山に出に出掛ける時に、集まって作業をしている別の女性(同じように乳飲み子がいる)に預ける。
もしその赤ちゃんが空腹になったらその女性が代わりにお乳を飲ませる。
このようなことは、昔の日本でもあったこと。
しかし日本では、大正時代に「良妻賢母」という思想が海外から入ってきて、それが母子の愛着と絡んでひとつの育児文化のようになってしまい、そのような育児環境はなくなっていったと精神科医の香山リカ氏は話しています。

「人類の進化の中で生まれた『共同養育の必要性』が、『核家族化』という社会現象によってかなわなくなっている。
日本の社会としてそこをどのようにしていくか、が今後の課題」と番組内で話していました。
ただ、「共同養育」の質が、子どもの成育に大きな影響を与えることにも注目して、「共同養育」の場を作り上げていかなければならないと私は思います。

また⑤と⑥について。

父親の育児の協力は、手を貸すよりも、「じっくり向かい合って話をきいてあげること」がよいのかもしれません。

なぜかというと、もともとは、外敵を子どもに近付かせないことが目的のホルモンが分泌されているのですから、夫であっても、嫌悪を感じるのが当たり前だし、父親の脳は、出産をした母親とはまったく違うものなのだからです。、
つまり母親と同じように手を動かしたり触ったり、感じたりはできないのです。

女性は、そこから始まり、夫に要求しなければ、イライラも減るのではないでしょうか。
女性と男性は違うのです。

このように脳科学が発達していない時代でも、母親たちは悩み、失敗し、その経験や様々な人から知恵をもらいながら育児をしてきました。

そのような手探りのような子育ても大事にして科学の情報も上手に取り入れ子育てしていく時代になったのだと思います
posted by 母と子のためのスペース”穂” at 00:00| 女性を生きる | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年04月24日

「ハウスワイフ2.0」という新しい専業主婦像

4月12日の朝日新聞、「耕論」という、様々な分野の方がひとつのテーマについて論じるコーナーに、「ハウスワイフ2.0」という言葉がありました。

これはアメリカのジャーナリストのエミリー・マッチャー氏が作り出した言葉です。

専業主婦が増えてきた最近のアメリカの状況の中で、「伝統的な子育てや家事こそ、今の女性には最も革新的な活動」として、職業を持たず専業主婦をする女性のことを、マッチャーさんは「ハウスワイフ2.0」と名づけました。

「ハウスワイフ」は英語で「専業主婦」のことです。

また数字の「2.0」は、「夫にかしずき、夫が気持よく、また子どもが健やかに育つことだけを願って家事の完璧」を目指していた、現在の20~30代の祖母の年代を「1.0」。
その孫の世代で、主婦の在り方を変えてきている年代を「2.0」としているとのことです。

では「ハウスワイフ2.0」は、かつての主婦とはどのように違うのでしょうか。

家に閉じこもって単調な家事をこなすのではなく、環境問題や食の安全、を考え、鶏を飼ったり、農園で野菜を作ったり、紙おむつではなく布オムツを使ったり、学校に通わせず自分自身で教育するホームスクーリングを試みたり、インターネットで手作りのものを販売したり・・・・高学歴の中で学んだ知識や技術を、家事に究極に生かそうとします。

なぜ高学歴であるのに、職を辞め家庭の中に入るのでしょうか。

アメリカでは、リーマンショック後の景気低迷の影響で仕事がない。
就職できても低収入でやりがいも乏しい。
無理して働くよりも家庭にいるほうがいい。

アメリカでは、有給の出産休暇が法律で義務化されていない。

多くの企業では有給休暇もない、という状況だそうで、育児と仕事の両立が難しく、それも拍車をかけ、
家事にやりがいを見つけようとするのでは、と分析しています。

これは日本の社会にもみられるように思います。

みなさんのまわりにもいらっしゃるのではないでしょうか。

昭和40年前後に生まれた世代は、その親たちが望んだ「女性の自立」を教育されました。

そして、職を持ち家事と育児、仕事を必死になって両立(今のように育メンや職場での育児に対する理解も整っていない時代でした)させている女性が多くいました。

その姿を見た今の20代前後の子どもたちは、「母親のように必死に働くのは無理。」と結婚したら職を辞める、という声も多く聞かれるようになりました。

さまざまな社会の背景の中、職を持たない女性に対する事情も考え方も変わってきています。

しかし「ハウスワイフ2.0」になるためには、家族全員を養うだけの夫の収入がある、ということが前提になります。

夫の収入だけに頼れない人は、どうしても働かざるを得なくなり、子どもを預ける場所、両立の難しさに立ち向かわなくてはなりませんが。

少子化対策として「働く女性を援助する社会の仕組み作りを」と政府も動いていますが、職を離れる女性もいること。
その背景には何があるのか。
また職を離れた後の生活の在り方についても知って欲しいと思います。

また、様々な価値観がある現代、女性でも「産み育てることに関心がない」人もいらっしゃいます。
(香山りかさんはご自分はそうだと公言しています)

また、戦後の高度成長期の子どもが多かった時代、公的な保育が少なかった時代、いったいどのようにして
子育てがされていたのでしょう。

その時代に学ぶことも必要かもしれません。

みなさんの子どもたちが自立して人生を歩むまでの間にどのような教育がされるのでしょう。
家庭ではどのような道筋を示してあげることができるでしょう。

先のことではあるかもしれませんが、頭に入れておくべきことかもしれません。
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2009年11月13日

「月経血」をトイレで排泄すること

今回は、わらべうたで遊ぶ会のお部屋に置いてある本箱に、新しく仲間入りした津田塾大学教授の三砂ちづるさんの著で「昔の女性はできていたー忘れられている女性の身体に在る力―」を紹介したいと思います。

少し生々しいお話になりますがご興味のある方は続けてお読みください。

私は「着物を着て下着を履かずに腰巻だけで過ごしていた時代、女性は生理の時どのように過ごしていたのだろう」という疑問を以前から持っていました。
みなさんの中にもそのような疑問を持っている方はいらっしゃるのではないでしょうか。

このことについて「衣の暮らしと女性」(今泉令子著)という本に書いてあるのを見つけました。
(この本は本箱の中にあります。著者は私の幼馴染です。)

昔はちり紙やボロ布、和紙を丸めたものを詰めたり、ボロ布や脱脂綿で当て布を作り股に当て、フンドシのようなもので押さえていたそうです。
そしてその当て布は繰り返し洗って使ったそうです。

しかしこのようなことで本当に大丈夫だったのでしょうか。

そのことについて三砂さんはいろいろな方に聞き取りをしたところ、昔の女性は、しゃがんで仕事をしたりすることが多かったので骨盤底筋が鍛えられていて、尿を膀胱に貯めておくように月経血を体内に貯めることができ、トイレでそれを排泄していたというのです。

当て物をしてそこに常時出すのではなく、トイレで出し切ってしまうということなのだそうです。

三砂さんが聞き取りをした方には、お年寄りではない方もいらっしゃり、トイレで出し切ることで、期間も短くなり生理痛も無くなったというお話をなさっています。

私たちの体にもともとある力が、これもやはり安心設計の紙ナプキンに頼り、意識されて使われなくなってしまったということなのでしょう。

しかしそれと引き換えに、生理中ということを常に意識しなければならないという煩わしさがない普段の生活と変わらない生活ができるようになり、長時間席を外せないような仕事も行うことができる自由さを手にすることができました。

今泉さんも「月経を取りまくあらゆる変化は、そのまま、社会における女性の存在のあり方を示している」と書いています。

つまり男性と同じように社会で生きていけるようにはなりましたが、失ったものもあったということなのでしょう。

生活スタイルも昔とは変わり、骨盤底筋を鍛えることができなくなってしまった現代。
若い人でも失禁してしまうということ、現在の女性は月経血を貯めておいて出すということをしていないということを聞いて驚いているお年寄りもいるそうです。

この本を読んで、骨盤底筋を鍛えて失禁を防ぐために、また生理痛を和らげるために、月経血を貯めてトイレで排泄するように意識してみようとする女性が増えてきているそうです。

トイレで排泄すれば、ナプキンの汚れる回数も減り使用するナプキンの数も減りこれまた一石二鳥。

そのような中で、汚れが少ないのなら紙ナプキン(紙おむつと同じ石油が原料のポリマーです)ではなく肌に優しい布ナプキンを使ってみようという人も増えてきているようです。

綿ですからかぶれにくいですし、洗って繰り返し使うのでごみも出ずエコでもあります。

「洗うなんて。真っ赤になってしまうのでは」と思ってしまいますが、トイレで排泄しているので紙ナプキンにすべて吸収させているのに比べたらずっと少なくなりますし、セスキソーダという(100円ショップダイソーで売っています。
重曹に近い物)の液に浸しておくと奇麗になり洗濯はさほど面倒ではないようです。

本箱に常時入れてある情報ファイルに、メイド・イン・アースさん、アルテミスさんの布ナプキンの案内を入れてあります。

他にもたくさんの種類の布ナプキンが売られていますし、使い古したハンドタオルを使って自分で作ることもできるようです。

今回は、「現代に生きる私たちが失ってしまっている、人間がもともと持っている力」について紹介しました。
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